リーガルマインド会社法 弥永真生

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第1章  会社法の意義と目的


第2章  営利社団法人としての会社
 C 1 会社の営利性(52・有1T)
     =単に会社が@対外的な営利活動により会社自身の経済的利益を図るだけでは足りず、
       A社員の利益を図ることを目的とし、その事業から生ずる利益が社員に分配されること、を意味する。
   @特定の又は全ての株主に永久に配当しない旨の決議の有効性

 B 2 会社の社団性(52T・有1T)
     =社団とは、団体すなわち共同の目的を有する複数の共同体をいう。
   A一人会社(必要性、許容性、
         法規制の修正(総会開催・招集手続・役会承認・議事録備置の要否))


 B 3 会社の法人性(54T・有1U)
     =法人とは自然人以外で権利能力を有するもの。
   B目的による制限(判断基準、政治献金←営利性とも絡む)  
   C法人格否認の法理

     =会社とその背後にある社員とを同一視する法理。
      ・濫用型…@背後者の支配地位、A違法な目的
      ・形骸型…@業務活動混同の反復継続、A会社と社員の義務・財産の全般的・継続的混同
             B明確な帳簿記載・会計区分の欠如、C強行法規的組織規定の無視


第3章  株式会社の前提と視点
  1 株式会社の特質

 B 2 株式
     =細分化された均等な割合的単位の形をとる株式会社の社員たる地位

 B 3 間接有限責任(200T)
     =「株主の責任はその有する株式の引受価額を限度とす(200T)」る有限の出資義務を負うだけで、会社債権者に対しなんらの責任も負わない。

 B 4 資本
     =会社財産維持の基準となる計算上の一定の数額
   @資本充実・維持の原則
     充実=会社設立・新株発行の際に資本はこれに相当する財産によって現実に充実されなければならない
       発行価額の全額払込・現物出資全部の履行の要求(170T、172、177TV、280−7、280−14T)
       現物出資の厳格な調査(168、173、181、184U、185、280−8)
       発起人・取締役の引受・払込給付担保責任(192、280−13)
       財産不足額填補責任(192−2、280−13−2)
       株主からの相殺禁止(200U)
       払込取扱銀行の責任(177U、178、189、280−14)

     維持=資本充実の原則により資本に相当する会社財産が確保された状態が、その後も維持されなければならない。
       厳格な利益配当手続(290T@A) 利益準備金(288,290TB)
       払込金の払戻禁止
   A資本不変の原則 
      =一旦定めた資本を自由に減少することを禁ずる原則
         債権者保護に配慮した(376U・100)厳格な資本減少手続(375T、343)   
   B資本確定の原則
      =会社の設立・資本の増加には、定款所定の資本の額に相当する株式全部の引受けがな されなければならないという原則
        授権資本制度(166TBE、170T、177T)昭和25年改正
        新株発行時(280−2T@、280−9U)   
   C最低資本金制度(168−4)

第4章  株式
  1 株式の意義
   ・自益権=会社から経済的利益を受ける権利
   ・共益権=会社の経営に参加する権利
 C 2 株主平等原則
   @意義と根拠  A機能と内容  B違反の効果  C明文上の例外(数種の株式)
   D解釈上の例外(株主優待制度・日割配当・無配の填補)
 C 3 株式譲渡自由の原則
   @意義・必要性・許容性  
   A株式譲渡の制限
    ・法律による制限    ・権利株及び株券発行前の株式の譲渡制限
    ・自己株式の取得(自己株式の無償取得、他人名義の自己株式取得、違法な取得の効力、

   A            自己株式の法的地位(議決権・利益配当・残余財産分配・新株引受))

   C     →従業員持株制度(意義、ストック・オプション、奨励金の支給と株主平等原則、
               奨励金の伴う新株発行、譲渡制限の有効性、議決権信託) 
    ・子会社による親会社株式の取得制限    ・端株
    ・定款による制限(総会への承認権限の移譲、一部の株式についての制限解除、
             取締役への譲渡、承認を得ずになした譲渡の効力、
             制限を株券に記載しなかった場合、譲渡担保、単位未満株)
    ・契約による制限

 B 4 株式担保(207)
    ・略式質=当事者間の質権設定の合意と株券の交付を効力発生要件とし、かつ株券の占有継続を第三者対抗要件とする質権
    ・登録質=略式質の要件に加えて、209条T
    ・譲渡担保=債務者が自己の有する株券の所有権を債権担保の目的で債権者に移転し、
            債権者が弁済を受けたときは目的物を返還し、期日に弁済されないときは
            目的物を処分してその代金をもって債権の回収に充てるもの

   @自己株式の質受         A譲渡担保と略式質の区別
   B株式担保の効力(物上代位の方法利益配当請求権、新株引受権) 
   C譲渡制限株式・自己株式の担保化

 C 5 額面株式と無額面株式
   @額面株式と無額面株式の異同
 C 6 端株制度と単位株制度
   @単位株制度(意義、趣旨、単位未満株主の権利、単位未満株の譲渡)
   A端株制度(意義、趣旨、発生原因、端株主の権利、端株の譲渡)
   B端株制度と単位株制度
 
 7 株主の義務

 B 8 株券
   ・除権判決=権利と紙切れの結びつきを解いて有価証券を無効にする宣言であり、公示催告手続を経た上でなされるもの

   @株式譲渡における資格授与的効力
   A除権判決(名義書換後の株券に対する除権判決の効力、趣旨、効力、
        公示催告期間中における名義書換請求、除権判決と善意取得、株券再発行請求権)
   B株式不所持制度

 B 9 株主名簿
     =株主・株券に関する事項を明らかにするため商法の規定により作成される帳簿(223)
   @機能   A名義書換制度の意義・効果   B名義書換未了の株式譲受人の地位
   C名義書換の不当拒絶(相続を理由とする場合、総会屋を理由とする場合、不当拒絶の結果名義書換未了の株主の地位、不当拒絶の効果)  
 

   ・失念株=株主割り当てによる新株発行があった場合に、旧株の譲受人が割当期日までに名簿を書き換えることを失念し、
         その結果、譲渡人である株主名簿上の株主に割当てられた新株
   ・名簿の閉鎖=224ー3T前段   ・基準日=同条項後段

 B10 株式の消却・併合・資本減少
  @株式の消却の意義・機能・効果
    ・消却=会社がその存続中に特定の株式を絶対的に消滅せしめる行為。
    ・併合=数個の株式を合わせて、それよりも少数の株式とすること。

 B11 株式の分割
    =既存の株式を細分化して従来より多数の株式とすること(218)。


第5章  機関
  1 総説
    機関=その者の行為が法律上会社自体の意思決定・活動と認められる会社の組織上の一定の地位にある者

  2 株主総会
    =株主を構成員として会社の基本的事項について意思決定する必要的機関。
 B  (1) 権限
     @主な決議事項(役会権限・代取権限の総会への委譲、その逆)
A  (2) 株主総会の招集  
    A招集手続の瑕疵(全員出席総会、代理出席)
   (3) 提案権
 AA (4) 議決権
    B一株一議決権の原則
    C例外(議決権のない株式、自己株式、相互保有、名簿閉鎖中に発行された株式、
         自己株式取得に関する総会特別決議において売主の有する株式)
    D議決権の行使方法(代理行使、不統一行使、書面による行使
                 代理人資格を株主に限定する定款の効力)

   (5) 総会の議事進行
 A  (6) 総会屋対策
      E294−2の趣旨、要件、効果
 A  (7) 多数決原理と少数株主の保護
     F総会決議の多数決原理の原則とその修正(少数株主保護のための施策)
 A  (8) 株主総会の決議の瑕疵を争う訴え
     G訴えの種類        H裁量棄却の趣旨・効力

 B 3 取締役会
   =取締役全員をもって構成され、その会議における決議によって業務執行をに関する会社
    の意思を決定し、かつ、業務執行に関する監督を権限とする必要的機関(260T)
    @持ち回り決議    A特別利害関係人(代表取締役の選任・解任)
     B総会との異同(意義、機能、地位、招集手続、会議の要件・方法)

 B 4 代表取締役
     @支配人との異同  A権限濫用
   (1) 代表権  
     B総会決議を欠く場合  C役会決議を欠く場合(総会の招集、社債の発行、新株の発行)
 A  (2) 表見代表取締役
     D12条との関係

  5 取締役の職務執行を適正ならしめる制度
 C  @善管注意義務と忠実義務との関係 
 A  A共同代表取締役
 C  B取締役の競業避止義務(要件、違反の効果、介入権)
 B  C取締役の利益相反取引(「自己又ハ第三者ノ為ニ」、「会社ノ営業」、「取引」、違反の効果)
     ・直接取引=取締役自らが当事者として、または他人の代理人・代表者として、会社と取り引きすること
     ・間接取引=会社と取締役以外の第三者との間においてなされる実質的に会社と取締役との利益が相反する行為
 A  D取締役の報酬=取締役の職務行為の対価。
    (趣旨、具体的配分の役会への委任、賞与、退職慰労金、使用人兼任取締役)
 AA E取締役の会社に対する責任(取締役の監督義務、責任の法的性質の差異
                 266TD「法令」の意義、経営判断の原則)
 B  F取締役の第三者に対する責任(趣旨、要件、損害の範囲、第三者の範囲、
                  不法行為責任との関係、名目取締役(任務をしなくて良)、
                  選任決議を欠く取締役(表見取締役)、辞任した取締役)
 A  G代表訴訟(趣旨、要件、判決効) 
 A  H違法行為差止請求(趣旨)    
 B6 監査役  
   =取締役の職務執行の監査をなす、株式会社の必要的機関。
   @地位   A権限(監督権限が業務執行の妥当性にまで及ぶか) B報酬


第6章  設立
  ・発起設立=定款に定められた「設立に際して発行する株式総数」を発起人が全部引き受けて会社を設立する場合。
  ・募集設立=発起人が定款に定められた「設立に際して発行する株式総数」の一部のみを引き受け、残部については
          他から引受人を募集して会社を設立する場合。
  ・発起人=実際に会社の設立を企画し設立事務を執行したか否かを問わず、定款に発起人として署名した者。
  ・変態設立事項=168条によって効力が生ずるためには定款に記載し、検査役による調査を要するとされた事項。

 A @株式会社の設立と合名会社の設立の違い
 B A発起人組合と設立中の会社(設立中の会社の意義、実質的権利能力、発起人の権限)
 B B変態設立事項
   ・発起人の特別利益=発起人の会社設立企画者としての功労に報いるために与えられる、特別の財産上の利益であって、
    発起人の報酬と異なり、通常会社の継続的負担となるものをいう
   ・現物出資=金銭以外の財産をもってする出資(制限の趣旨、違反の効果)  
   ・財産引受=発起人が、設立中の会社のために会社の設立を条件として株式引受人または第
          三者との間で財産を譲り受ける契約をすること
        (趣旨、違反の効果、追認の可否、創立総会の決議による追認の可否・方法、
         財産引受以外の開業準備行為への類推の可否)
   ・設立費用(趣旨、未払債務の帰属先)
     =発起人が設立中の会社の機関として、会社の設立のために支出する一切の費用
   ・発起人の受くべき報酬=発起人が会社設立のために尽くした労務に対する報酬であり、発起人の受けるべき特別の利益と異なり、
                   成立後の会社から一時に現金で支払われるもの

  C資本の充実の確保
   ・事後設立(財産引受との対比)   
     =会社成立後2年内に、その成立前から存在した財産を継続して使用する目的で、資本の20分に1以上の対価で取得する
      契約を締結すること(246T)
   ・保管証明責任の適用範囲、存続期間
 AA ・見せ金(判断基準)
     会社成立後、借入金を返済するまでの期間の長短
     払込金が会社資金として運用された事実の有無
     借入金の返済が会社の資金関係に及ぼす影響の有無
   ・全額給付の確保(173・181、168TE、246、192U、192−2)
   ・全額払込の確保(177T、170U・175UI・177U、189、178、
         491、192U)

 B D会社設立の瑕疵(態様、株式会社と他の会社との対比)
   ・不成立=会社の実体形成手続は開始されたが、結局設立の登記にまで至らなかった場合(194)。
   ・不存在=会社の実体と認めることができるものが全く存在しないか、あるいはほとんど存在しないのに、
         設立登記がなされた場合(140、147、有75T)。
   ・設立無効=会社の成立要件としての実体形成手続と設立登記をともに備えながら、しかも無効原因がある場合(428)
   ・設立取消=特定の社員の設立行為の取消しが会社の成立自体に影響を及ぼし、会社の存立が否定される場合

  E設立関与者の責任
   ・資本充実責任(法的性質、資本充実責任の履行と設立無効の回避)
   ・発起人の責任(任務懈怠責任、疑似発起人)    


第7章  株式会社の資金調達
 B 1 借入金による資金調達
 B 2 社債発行による資金調達
   ・社債=公衆に対する起債によって生じた(株)に対する債権であって、これにつき有価証券が発行されるもの。
     @株式との異同

 A 3 新株発行による資本調達
   ・新株発行=(株)成立後に新たに株式を発行すること。
   ・抱き合わせ増資=280ー9−2 株主割り当て増資の一変形。

   @新株発行の態様(申込証拠金、ストックオプション、抱き合わせ増資)  
   A設立との異同(財政的基盤の確立の有無、会社組織の成熟度、
           新株発行事務の簡易迅速な処理の要請、旧株主の保護の必要性)
   B有利発行(「特に有利なる発行価額」の意義)
   C差止請求(「法令若しくは定款に違反」、「著しく不公正なる方法」
         「株主が不利益を受くるおそれある場合」)
   D不公正な価額で株式を引き受けた者の責任
   E新株発行の無効原因(強行法規違反、新株発行権の無視、不公正発行、差止無視、
              役会・総会決議の瑕疵・欠缺、公示の欠缺)
   ・旧株主の保護=280−5ー2・280ー2T、280ー2U〜W、280ー11、280ー15、280ー13ー2)


第8章  企業の基本的事項の変更
 B@営業譲渡(意義、重要な営業用財産の譲渡・合併との対比、手続違反の営業譲渡の効力)
 A
A合併
   ・合併=二つ以上の会社が契約によって一つの会社に合同すること
   ・新設合併=すべての当事会社が解散し、それと同時に新会社を設立し、新会社が消滅会社の財産および株主を収容する場合(410)
   ・吸収合併=当事会社の一つが存続し、ほかの会社が解散してこれに吸収される場合(409)
   ・合併比率=主として消滅会社の株主に、その有する株式何株に対し存続会社のいかなる新株を何株割り当て、
           または存続会社の株式を移転するか、という割当比率。
   ・営業譲渡との対比(法的性質、包括承継・株式買取請求権・債権者保護手続清算手続の有無、無効の主張方法)
   ・平成9年改正の要旨(合併手続の簡略化、債権者保護手続の合理化、簡易合併制度の創設)
   ・合併無効の訴え(無効原因、合併比率が不公正な場合、判決の効力)
 CB親子会社(意義、問題点、少数株主の保護、法人格否認の法理、利害関係人の救済、取締役の行為規制、一人会社)
 CC企業結合・分割 


第9章  株式会社の計算
   ・利益配当=会社は一般に定期的に決算を行って株主に利益を分配する
   ・違法配当=利益配当の実質的要件が欠ける場合(狭義)
           形式的要件に瑕疵がある場合(広義)

AA@違法配当(効果、善意の株主に対して会社・会社債権者は返還請求をなしうるか、
        裁判外での違法配当の主張の可否、取締役の責任の性質、監査役の責任)


第10章 各種の会

   ・合名会社=会社債務につき会社債権者に対して連帯して直接の無限責任を負う(80)社員のみからなる会社
   ・退社=合名会社、合資会社などの人的会社において、会社の存続中に特定の社員の社員たる資格が絶対的に消滅することをいう(84、85)
 A@人的会社と物的会社  A債権者保護の制度   B投下資本の回収方法
  
  



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