手形法・小切手法入門  前田庸    ダウンロード(一太郎形式)
 

第1章 有価証券
C  ・有価証券=権利の移転及び行使のいずれにも証券を要するもの。
 @有価証券と免責証券の相違
   ・約手=振出人が一定金額を満期に支払うことを約する支払約束証券(手75)。
   ・免責証券=権利者が不特定多数であり、権利行使が頻繁な取引において債務者と
    して権利者の識別が困難な場合に備えて、予め発行しておいた証券と引き換えに
    債務を履行すれば、たとえ相手方が無権利者であっても、その履行責任を免れる
    効力が認められる証券。 

第2章 手形理論
B  @手形理論(意思表示の瑕疵・欠缺、交付欠缺)

第3章 手形行為
 第1節 手形行為という概念の必要性
 第2節 手形行為の定義
 第3節 手形行為の性質
  第1款 手形債務負担行為の性質
   @手形債務負担行為の性質
    ・無因性=手形外の法律関係による影響をうけないこと。
    ・書面行為=書面の作成を通じてなされる意思表示によって成立すること。
    ・文言性=手形債務の内容は専ら書面上の記載によって決せられる。
    ・要式性=法定の方式を具備しなければ成立しない。
  A約手と貨物引換証との対比(571条の記載を欠く場合=要式性、
     有因性(572)と文言性の関係=数量・品違い、空券
     処分証券性(573)=貨物引換証が作成されたのに意思表示のみによって品を譲
             渡しうるか
     引渡証券性(575))


    ・貨物引換証=(陸上)運送人が運送品の受取の事実を証し、かつ目的地にてこ
            れを引き替えに運送品を引き渡すことを約する有価証券(571)。
   B手形の文言性(手形外観解釈の原則、手形客観解釈の原則、所持人有利解釈)

  第2款 手形権利移転行為の性質
   @手形権利移転有因論   


 第4節 手形債務負担行為の成立要件
B 第1款 形式的要件−方式− 
   ・署名=行為者の名称を行為者の意思で手書きすること(記名捺印を含む・82)
   ・記名捺印=行為者の名称をなんらかの方法で記載し、行為者の意思で捺印する
      こと。
   @署名を要求する趣旨 
   A自己を表示する名称として他人名義を用いた場合
   B組合名義

A 第2款 実質的要件−有効な意思表示−
   C手形行為と民法94・95・96条
B  D手形行為の取消の相手方


 第5節 他人による手形債務負担行為
  第1款 代理方式と機関方式 
B 第2款 形式的要件−形式−
   @代理方式(肩書か代理方式か不明な場合)
   A機関方式(署名の代行、法人の機関方式の可否)

A 第3款 実質的要件−権限−
   B権限の制限に違反した場合の効力
   C表見代表取締役・表見代理等と手形行為
    ・その効力            
    ・表見代取による代取名義の無断使用
   D商法265条(利益相反取引)等違反の手形行為
   E偽造(偽造者の責任、被偽造者の責任、追認の可否)
   F表見代理(本人の責任、表見代理の成立と8条)

B  G手形行為と名板貸責任


第4章 約束手形
 第1節 経済的機能
 第2節 振出
AA@手形関係が原因関係に及ぼす影響
   ・手形を振り出した場合に原因債務は存続するか
   ・どちらを先に行使すべきか
   ・原因債権を行使する場合に手形の返還を要するか

  
B第3節 約束手形の記載事項
  @必要的記載事項
   ・振出日(手形要件か、振出日以前の日を満期日として記載した場合)
   ・振出人(複数記載、振出人が自己を受取人として記載)  
   ・金額の複数記載
・満期記載の欠訣
A任意的記載事項
   ・支払場所(支払地外の支払場所、呈示期間経過後の支払場所)
・違約金、管轄違い
   ・万効手形
 B無益的記載事項(指図文句の抹消、指図文句と指図禁止文句の併存)
  C有害的記載事項


B第4節 白地手形
=ある者が手形要件の全部又は一部を空白にしたまま、その空白とした要件を後日取
 得者に補充させる意思をもって手形行為者として署名した証券。
 @白地手形と無効手形の区別
 ・補充権=その書面の外形上欠けている部分の記載が将来補充されることを予定し
       ていると認められる場合には、そのような書面であることを認識し、又は認
       識しうべくして署名すれば、補充権が認められる。
  A白地未補充のままの権利行使(付遅滞効、遡求権保全、時効中断効)
  B補充権(補充権の濫用、補充権の消滅時効)
  C白地手形と除権判決(白地手形喪失者による申立の可否、積極的効力の有無)



B第5節 手形の変造
=手形の文言、すなわち手形債務の内容を決める手形の記載事項が無権限で変更 されること。
   ・抹消=手形上の記載事項を塗抹・削除の方法で消去すること。
  @変造前の署名者の責任
  A受取人欄・裏書人の変造


第6節 手形の譲渡
 ・裏書=手形上の権利を移転する行為。
B @裏書の効力(資格授与的効力の根拠)
    ・権利移転的効力=裏書により手形上の一切の権利が被裏書人に移転する効力
                (14T・77T@)。
    ・資格授与的効力=手形の記載上、被裏書人として表示されている者はその裏書に
                よって手形を取得した者と推定される効力。
    ・担保的効力=裏書人は裏書により原則として、被裏書人その他の後者に対して手
            形金の支払を担保する責任を負うという効力(15T・77T@)。
AAA裏書の連続(判断基準、被裏書人欄の抹消、受取人欄の改ざん、
            不連続手形の効力、架橋説、相続)
     ・裏書の連続=手形の記載上、受取人から最後の被裏書人に至るまで各裏書が間断
              なく続いていること。

 第7節 手形取得者保護制度
C @手形抗弁の種類
B A手形行為独立の原則(趣旨、裏書への適用)
    =前提である手形行為に瑕疵が存在している場合にも、それを前提とする手形行
     為の効力はその瑕疵の影響を受けないという原則(7・32A参照)。
B B善意取得(適用範囲)
C C人的抗弁切断(支払済の抗弁、悪意の抗弁、
AA        融通手形、見せ手形、交換手形)
   ・悪意の抗弁=所持人が手形の取得に際し、満期又は権利行使時に債務者が所持人
             の直接の前者に対して抗弁を主張することが確実であるとの認識を
             有している場合に「害意」を認める(17)。
   ・融通手形=約束手形の信用証券としての機能を利用し、専ら他人に金銭の融通を
           得させる目的で手形行為がなされる場合のその手形のこと。
   ・見せ手形=所持人の資力を対外的に仮装する目的で他に譲渡しないことを目的と
           して振り出された手形。
  D手形行為独立の原則と善意取得との関係
      (独立の原則と悪意の取得者、振出が偽造・無能力である場合と独立の原則)

B第8節 特殊の譲渡裏書
  @白地式裏書=被裏書人の表示のない裏書(14U)。
  A無担保裏書=裏書人が手形上の責任を負わない旨の記載をした裏書(15T)。
  B裏書禁止裏書(裏書禁止裏書の担保的効力の有無)
  @期限後裏書

    =支払拒絶証書作成後、又は支払拒絶証書作成期間経過後になされた裏書。
C D戻裏書
B E裏書抹消による譲渡



B第9節 特殊の裏書
  @取立委任裏書=被裏書人の手形上の権利を行使する代理権を与えることを目的とす
             る裏書をいい、委任文言を記載する公然の取立委任裏書と通常の譲渡
             裏書の方式で行う隠れた取立委任裏書がある。
   ・公然の取立委任裏書(効力)
   ・隠れた取立委任裏書(法的性質、抗弁の対抗)

  A質入裏書=手形上の権利に質権を設定することを目的とする裏書をいい、質権の設
          定を示す文言を記載する公然の質入裏書と通常の方式で行う隠れた質入
          裏書がある。
       (効力、被担保債権が手形金額よりも少額の場合、
        被担保債権の弁済期の方が後の場合、人的抗弁切断・善意取得、
        隠れた質入裏書)

  
 第10節 手形上の権利行使

 第11節 手形債務者の免責
C @満期における支払(40V「悪意・重過失」の意義、40Vの適用範囲)
   ・「悪意・重過失」(40V)=所持人が無権利者であることを知り、かつ容易の
         それを証明して支払を拒みうるにかかわらず、あえて支払をなしたこと。
B A満期前の支払

C第12節 手形の書替
=振出人が満期を変更した新手形を発行して所持人に交付すること。
  @手形の書換(法的性質、新旧手形の関係、手形債務の消滅に手形の受戻を要するか)
  Aその他の支払拒絶の回避手段

   ・支払猶予の特約(有効性、裏書人の対する効力)
   ・満期記載自体の変更=振出人が所持人の同意を得て手形の満期記載の書換により
                  手形上の効力を生じさせるもの。

B第13章 遡求
=@手形所持人が手形を支払期間内に振出人に対して支払のために提示したにもか
  かわらず、A振出人がこれを拒絶した場合、その他振出人の支払の可能性が著し
  く減退したことを示す一定の事由が生じた場合に遡求義務者に対して手形金・利
  息及び費用を請求すること(43)。
  @要件

B第14節 手形保証
  =ある者が手形の振出人・裏書人等の特定の手形債務者のために手形上で保証する
   こと。

  @効力(附従性と独立性、振出人が受取人との間の原因関係を解除した場合)

B第15節 時効
  @時効の中断

A第16節 利得償還請求権
 =時効又は手続欠訣を理由として手形上の権利が消滅した場合には手形所持人が
  手形債務者から権利消滅によって生じた利得の償還を請求できるとしたもの(85)。
  @立法趣旨及び法的性質
  A発生要件 ・有効な手形権利者であったこと。・手形上の権利が消滅したこと。
        ・手形債務者に利得があったこと。  
    (原因関係上の債務が存続している場合、消滅している場合、 
     他の救済方法が存する場合)
  B取得要件
  C行使要件(証券の所持を要するか、白地未補充手形との関係)



第5章 為替手形
  =満期に一定の金額を受取人その他証券の正当な所持人に支払うことを振出人が支払
   人に委託する支払委託証券。


第6章 小切手
=振出人が満期に一定の金額を受取人その他の正当な所持人に支払うことを支払人に
 委託する支払委託証券。
 ・線引手形=小切手の表面に二本の平行線を引いたもの。
 ・一般線引=二本の平行線内に何の指定もないか、銀行又はそれと同一の文字を記載し
         たもの。
 ・特定線引=二本の平行線内に特定の銀行の名称を記載したもの。
 ・支払委託=支払呈示期間内に小切手が支払呈示された場合、振出人が支払人に対して
         振出人の計算で小切手の支払をなす権限を付与する準委任契約。

 
 @支払委託の撤回
  A静的安全の保障
  B約束手形・為替手形・小切手の異同



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