「コンクリートのぬくもり」



内断熱工法とは? / 内断熱の問題点 / 外断熱工法とは? / 外断熱と結露 / 外断熱のメリット
外断熱についての注意書 / 気温の比較 / 入居者アンケート

 従来の断熱施工(内断熱工法


 現在の建物の断熱工事は、断熱材(発泡ウレタンフォーム)を室内の壁に吹きつける工法が主流です。
 これを内断熱工法と呼びます。
 
 内断熱の施工現場については、「マンションリフォーム現場日誌」さんをご覧下さい。
 
イメージ図】



 内断熱工法の問題点

 この内断熱工法は、日本において90%以上を占めるものですが、「結露が発生しやすい」という構造的な問題点があります。
 下の図表をご覧下さい。
従来の内断熱工法の断面図
【解説】
  気温が下がると、空気中に含むことのできる水蒸気の量(=飽和水蒸気量)が減少します。
 この点、コンクリートの内側に断熱材を吹き付ける従来の「内断熱工法」では、建物のコンクリート躯体が外気の温度とほぼ同じになるため、室内で発生した水蒸気は断熱材を通過した後、コンクリート躯体に接触することで結露することになります。

 この点ウレタン吹付は、水を通しませんが、水蒸気は通してしまいます。その結果、壁内で結露を起こした場合、水が逃げられなくなり、壁内でどんどんたまっていくことになります。
 そこにカビが発生し、カビを餌とするダニが繁殖しすることになります。そして、ダニの死骸を養分としてさらにカビが繁殖する…という悪循環に陥ることに成り兼ねません。
 
  @クロス  ABボード等の内装材  C断熱材 Dコンクリート躯体 E外装材(タイル等)



 外断熱工法とは?
 以上の内断熱工法に対して、外断熱工法は、建物全体を断熱材で包みこんでしまいます。
 

【イメージ図】
 次の写真は外断熱工法の施工写真です。

 ▼建物の躯体に断熱材(グラスウール)を押さえ、外装材を持ち出すための金物を打ち込みます。
 ▼打ち込まれた金具の隙間にグラスウールを貼り付けていきます。
 ▼グラスウールを押さえる金具(縦)を取り付けたところ
 あとはこの上に仕上げ材を取り付けて完成。

※以上の現場写真は日本省エネ建築物理総研様よりご提供を受けたものです。


 外断熱工法と結露



 外断熱工法は内断熱と比較して非常に結露が発生しにくい構造になっています。
外断熱工法の断面図
【解説】

 躯体全体をすっぽりと断熱材で包み込む「外断熱工法」では、躯体は外気温の影響を受けにくく、もっぱら室内気温に連動するため、躯体に室内の水蒸気が接触しても結露は起きないことになります。

 しかも、たとえ水蒸気が躯体を通過し外気で冷やされたとしても、外側に通気層が存在するため、そこから水蒸気が抜けることになります。
@クロス AB内装材 Cコンクリート躯体 D断熱材
 このように結露が発生しにくいと… 
 したがって、
 1.今までより室内の湿度を上げても、結露が起こらない。したがって
  風邪を引きにくい(風邪の菌は、低気温・低湿度を好むため)。

 2.アレルギーの原因となると言われているカビ・ダニが発生しにくい



 外断熱のメリット

 鉄筋コンクリートの建物では、コンクリートがその質量の大部分を占めるため、このコンクリートの温度管理によって室内環境が大きく左右されることになります。

 外断熱工法は、コンクリート躯体を断熱材ですっぽりと包み込むため、外気の変化に影響を受けにくいことになります。
 したがって、年間を通じて躯体が一定温度を保つことになり、夏でもわずかな冷房で過ごすことができ、冬も暖かになります。このことは、「コンクリートのぬくもり」という一見矛盾したコピーに表されています。
 
 つまり、外断熱は省エネルギーなのです。 


 「外断熱」についての注意書き

 2004年現在、巷には「外断熱」という言葉があふれています。
 しかし、厳密に申しますと、「木造住宅」や「プレハブ鉄骨住宅」の外側に断熱材を貼り付ける工法は、「外張り断熱」と呼ばれるものです。この点が曖昧なまま出版・報道されている場合がありますので、ご注意ください。

 本物件は、RC(=鉄筋コンクリート)外断熱工法であり、「外張り断熱」とは考え方は同じであるものの、全く性能が違うものと考えてください。
 なぜなら、RCであればその躯体内、つまり構造体自体の質量が大きいため、「外張り断熱」に比べて躯体内に蓄積できる熱量が大幅に増えることになります。
 この躯体内の熱量を利用し、快適な住環境と省エネルギーを実現するのが、RC外断熱なのです。

 ※「EV(=Extend Ventilation)外断熱工法」とは「長期にわたる通気性能を確保した外断熱工法」を意味しています


 内断熱と外断熱の温度の比較


 次のグラフは、一年間の温度変化を内断熱と外断熱で対比したものです。
 (クリックすると大きなグラフになります)
    
 各月の最高気温と最低気温を記録しました。
 内断熱は外気温に大きく影響を受けていることがわかります。
 これに対して、外断熱の建物では、外気温の影響が小さく、年間を通じて大きな温度変化がありません。
 (1ヶ月の最大温度差 内断熱:15度 外断熱:4度)

 冬季、最も寒くなる北向き部屋の床面と最も暖かな南向き部屋の天井面との最大温度差は内断熱では8度、外断熱では2度の差となっています。
 外断熱の建物では底冷えしないことが示されています。

 外断熱工法だからこそ、室内の壁面をコンクリート打ちっ放しで飾っても、寒くありません。



 グリシーヌ藤英入居者アンケート

 「論より証拠」として、先日行ったEV外断熱マンション『グリシーヌ藤英』の入居者アンケートを公開致します。
 全12戸中、6戸の方からご返答を戴きました。この場を借りて、入居者の皆様に御礼申し上げます。


グリシーヌ藤英 入居者アンケート まとめ


Q1.結露が発生していますか?
      気になる 0   気にならない 5   わからない 1

Q2.トイレ、北側の部屋など室内で寒く感じる場所はありますか? 
        ある 0    ない 6    わからない 0

Q3.備え付けエアコン以外の暖房器具を使用していますか? 
       なし 3     あり 3 
              (石油ファンヒーター 2 (月1,400円)

                    ホットカーペット・電気ストーブ 1)
   ※参考 グリシーヌ藤英は集中冷暖房エアコンが設置されていますが、
       全戸の電気代平均7,500円程度
となっております。

Q4.就寝時    適温 5    暑い 1   寒い 0  わからない 0

Q5.換気   良い 1   普通 3   悪い 1   わからない 1

Q6.湿度  適度 5   わからない 1 

Q7.備え付けのエアコン・換気装置以外の除・加湿器具加湿の有無
             なし 4     あり 2 (除湿機

Q8.室内で洗濯物が良く乾く 3    わからない 3

Q9.グリシーヌ藤英を友人等に見せたいと思いますか?
    積極的に見せたい 2   興味のある人には見せたい 4 
    あまり見せたくない 0  見せない  0

Q10.グリシーヌ藤英に入居して、「外断熱工法」に興味を持ちましたか?
      はい 6    いいえ 0
   ※入居者の大部分が入居前には外断熱工法をご存じでなかった。

Q11.外断熱で快適に感じられたことはありますか?  ある 6   ない 0

・入居者の声

初めは気にしていませんでしたが、実際に冬過ごしてみて、とても温かくすごしやすかったので、とても気に入っています。

「外が暑い時でも部屋の中はすずしいのですごしやすい。外から帰ってくるとよくわかる。
 先日友人を招待したが、かなり評判が良かった。地下鉄の駅までは少し遠いが、部屋等のことを考えれば、苦にならず満足している。」

 「冬が大変暖かく、子供を薄着にさせていたら外出時に風邪をひいてしまった(笑)」

 このように外断熱工法について、概ねご好評をいただいております。
 今後とも、入居者皆様の声を戴いて、改善に励みますので、ご指導・ご鞭撻をお願い致します。

 ご意見・ご感想は、kanrinin@toei-inc.net 代表 加藤まで。




もっと「外断熱」について詳しく知りたい方は…